「電気工事士2種、やめとけ」
—そんな言葉を耳にすることもありますが、その理由は一体何でしょうか?
実は、その背後には意外な真実が隠されています。
まず、確かに電気工事士2種の資格を持っているだけでは、簡単に高収入や理想的な職場環境が手に入るわけではないという現実。
しかし、これを「やめとけ」と言われる理由を逆手に取ると、その価値は見えてきます。
なぜなら、電気工事士2種は、幅広い業界で求められている基本的な資格であり、そのスキルは実は非常に多くの職場で重宝されます。電気設備が必要な現場は数えきれないほどあり、常に需要は高いのです。
むしろ、「やめとけ」と言われることこそ、挑戦する価値があるサイン。
今回は電気工事士2種をやめとけと言われる理由と取得のメリットについて解説します。
電気工事士2種はやめとけと言われる理由
年収が低い
電気工事士は、独り立ちするまでに2~3年の時間がかかります。
その間は見習い期間として働くことになりますが、この時期の給料が低いと感じることが多く、そのため辞めてしまう人もいます。見習い時代の年収はおおよそ250万円から350万円ほどです。
経験を積むことで年収は上がりますが、仕事の忙しさに対して報酬が見合わないと感じることがあり、その部分が辛いと感じる人もいるでしょう。
しかし、年収を上げる方法もあります。具体的には、第一種電気工事士やボイラー技士、電験三種などの資格を取得したり、経験を積んで独立したりすることが有効です。
電気工事士として年収を上げたい場合は、資格手当やキャリアアップを目指したり、独立を考えることが大切です。
体力的にきつい
電気工事士の中でも屋外での作業が多い企業で働く場合、暑さや寒さを強く感じることがあります。
また、重い荷物を運んだり、高所で作業をしたりと、体力が必要な仕事も多いです。さらに、電気を扱うため、事故や怪我のリスクがあり、こうした点が理由で辞めた方が良いと言われることもあります。
休憩時間はありますが、電気工事士の仕事は立ちっぱなしでいることが多いため、体力を維持することが重要な仕事だと言えるでしょう。
電気工事士2種取得のメリット
私自身が電気工事士二種を取得したことで、収入がアップし、本業や副業に生かすことができるようになりました。
具体的なメリットとしては以下の3つです。
資格手当がつく
すべての職場がそうではありませんが、電工二種取得者に対して資格手当を毎月の給料につけている会社も多いです。
企業によって支給金額は異なりますが、第二種電気工事士の資格手当の目安は月額3,000円~5,000円です。
第一種電気工事士になると、資格手当は5,000円~10,000円ほどに増えます。
資格を持っているだけで自動的に年収がアップするため、第二種電気工事士の資格を取得することは大きなメリットと言えるでしょう。
もし資格手当の取り決めがない会社なら、会社に交渉してもよいかもしれません。

社会的に需要が高い
電気工事士は業務独占資格にあたります。業務独占資格とは、その資格を持っている人だけが、その仕事をすることが認められている資格のことです。
電気は現代社会でとても大切なものなので、電気工事士の仕事はとても必要とされています。
業務独占資格の仕事はすぐになくなることはないので、電気工事士は将来もずっと必要な資格だと言えるでしょう。
転職に有利
第二種電気工事士を持っている人は、主に電気工事の会社で働きます。
もし消防設備士やボイラー技士などの資格も持っていれば、ビルの管理をする仕事に転職することもできます。
もし「今の仕事がとても辛い」と感じているなら、別の会社に転職するのも一つの方法です。
無理してブラック企業で働き続けると、心や体に良くないので、転職を考えるのも大切です。
電気工事士2種がおススメな理由
私自身が電気工事士2種を他の国家資格よりおススメする理由としては、難易度がそこまで高くなく、独学で十分取得が可能だからです。
同じく国家資格として、おなじみの宅地建物取引士(合格率15%前後)や税理士(合格率15%前後)と比較すると取得しやすく、かつ多くの仕事に生かせるのが魅力です。
資格名 | 合格率 |
第二種電気工事士 | 60%前後 |
宅地建物取引士 | 15%前後 |
税理士 | 15%前後 |

第二種電気工事士を活かせる就職先
電気工事会社
電気工事会社の魅力は、さまざまな電気工事を手掛けることができる点です。
コンセントの設置から空調設備、さらには太陽光発電に至るまで、幅広い工事を経験することができます。
このような多様な工事に携わることで、さまざまなスキルを身につけることが可能です。
さらに、電気工事業に特化しているため、職人として独立や起業を目指す際に必要な経験を効率的に積むことができます。
建設会社
建設会社では、いろいろな電気設備が必要なので、第二種電気工事士の資格を持っている人がとても必要とされています。
電気工事の専門の仕事があることもあり、建設会社では自分たちで受ける仕事が多いため、電気工事の仕事は安定していることが多いです。
ビル管理会社
ビル管理会社では、自分たちが担当しているビルの電気設備のチェックや修理、工事などを行います。これによって、電気の保守点検に関する専門的な知識が身につきます。
「ビルメン4点セット」という資格を取ると、さらにできる仕事が増えます。
また、トラブルがなければ、残業がほとんどなく、休日も多い会社が多いので、「働きやすい」と言われています。
ただし、夜勤がある会社もあるので、その場合は「大変だ」と感じることもあるかもしれません。
電子機器メーカー
エンジニアとして電子機器を作る会社で働くこともできます。特に、医療機器を作る会社は技術者をよく募集しています。
メーカーで働く電気工事士は、自分の会社の製品を扱うので、覚えることがはっきりしていて、仕事がしやすいです。
また、エンジニアの仕事は自分で考えながら進めていく必要があります。ですので、同じ作業を繰り返すよりも、いろいろ試してみることが好きな人にはとてもやりがいがあります。
でも、故障や不具合などのトラブルに対応しないといけないので、急な仕事が入ることもあります。
鉄道工事会社
第二種電気工事士の資格を持っている人にとって、鉄道工事会社も良い転職先の一つです。
鉄道工事会社の仕事は、「保線・土木」「建築」「電気設備」の3つの部門に分かれています。
その中でも、電気設備の仕事では信号システムや架線(電車に電気を送るための線)に関わる仕事があるので、電気工事士の資格がとても大切です。
公務員
各自治体が管理している公共の施設で働く技術職として、官公庁に転職することもできます。官公庁での電気職の一番の特徴は「安定していること」です。
主に入札などの発注側として、働く場合が多いと思います。
また、公務員として働くので、休みや福利厚生(働く人へのサポート)がしっかりしていることが多いです。
ただし、官公庁で働くには、公務員試験を受ける必要があることが多く、転職するためのハードルが高いと言えます。
警備会社
警備会社では、防犯カメラなどの電気設備を取り付けたり、チェックしたり、メンテナンスをする電気工事士が必要です。
決まった場所で保守点検を行うので、外での工事に比べて体力的な負担が少なく、生活のリズムも安定しやすいです。
ただし、会社によっては夜勤がある場合もあるので、気になる人は求人の詳細をよく確認しましょう。
まとめ
今回は電気工事士2種をやめとけと言われる理由と取得のメリットについて解説しました。
電気工事士2種をやめとけと言われる理由について、給料が低い、仕事がキツイといった一部の人の電気工事士に対するイメージだと思われます。
しかし、資格を取得することで、
など大きなメリットがあります。
私自身も電気工事士2種を取得したことで、収入も増えて、自宅の簡単なリフォームもできるようになるなどメリットしかありません。
周囲のネガティブな意見に惑わされずに、ぜひ資格取得を目指してください。
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